最終更新日 2023年11月27日
認可地縁団体とは? 概要から認可申請の準備まで
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1.認可地縁団体ってなんですか
「町又は字の区域その他市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体」である「地縁による団体」が地域的な共同活動のための不動産を保有するため市町の認可を受けたものを『認可地縁団体』と呼びます。
(注)「地縁による団体」と呼べないもの
・構成員に対して住所以外に性別や年齢といった加入条件が必要である団体(婦人会や文化団体等)
・特定の活動(趣味やサークル活動)を目的としている団体
2.法人化する目的とは
町内会を法人化する目的は、町内会が取得した集会所等の不動産を町内会名義で登記ができるようになることです。
3.法人化する上でのメリットとデメリット
認可前 |
認可後 |
|
メリット |
・ これまで通りの運営ができるため負担は増えない |
・ 地縁団体として不動産登記できる ・ 減免申請をすれば県民法人税等が減免される (要件を満たした場合) |
デメリット |
・ 町内会の構成員の共有地として不動産登記できるが、名義人の交代や死亡があった時には登記名義の変更や遺産相続問題が発生するなどのトラブルになる可能性がある |
・ 規約を社団法人に準拠したものに変更しなければならない ・ 代表者を変更するたびに市長へ届け出が必要 ・ 規約の変更、解散、財産の処分等を行う際は市長の認可が必要になる |
4.認可を受けるための4つの要件
町内会が法人化するためには市長の認可が必要となります。認可を受けるための要件は、次のとおりです。
(1) 良好な地域社会の維持及び形成のための地域的な共同活動を行うことを目的とし、現にその活動を行っていること。
法人化する団体が文化・スポーツ・福祉などの特定の活動を目的とするものではなく、地域的な共同活動を目的としなければなりません。現にその活動を行っているとは、町内会として数年にわたり活動がされていることを意味します。
(2) 地縁による団体の区域が、住民にとって客観的に明らかなものとして定められていること。この区域は、当該地縁団体による団体が相当の期間にわたって存続している区域の現況によらなければならないこと。
区域が不明確であると構成員の範囲も不明確となり、住民間のトラブルの原因となる恐れがあります。区域は住民にとって客観的に明らかなものとして定められていなければなりません。
(3) 区域に住所を有するすべての個人は、構成員となることができ、その相当数の者が現に構成員であること。
すべての個人とは、年齢・性別を問わず区域に住所を有する個人すべてということです。これに反する加入資格などを定めることは認められません。また、相当数とは区域の住民の過半数を意味します。
(4) 所定の要件を満たした規約を定めていること。
法人化するためには、規約を定めて団体の名称や目的、組織の運営方法等を明確にすることが必要です。
5.法人化のための規約づくり 守るべき8項目
(1) 目的
特定活動だけでなく広く地域的な共同活動を行うものである必要がありますが、団体の権利能力の範囲を明確にするため、具体的に定めることが望まれます。
(2) 名称
名称については特に制限はありません。ただし、他の法令に抵触する名称(財団法人や社会福祉法人など)は避けなければなりません。
(3) 区域
活動の基盤となる区域を定めます。住民にとって客観的に明らかなものとして定める必要があるので、町又は字、地番、住居表示を基本とします。
(4) 主たる事務所の所在
主たる事務所1か所を定めます。代表者宅又は集会所に置くことが一般的です。住居表示や地番で定めることも「代表者宅に置く」「公民館に置く」という定め方も可能です。なお、「代表者宅に置く」とした場合、代表者変更の際には事務所変更の届出が必要となります。
(5) 構成員の資格に関する事項
「区域に住所を有する個人」のほかに、年齢や性別等の条件を会員の資格として定めることは認められません。正当な理由がない限り、区域内に住所を有する個人の加入を拒むことはできません。なお、法人や団体は構成員とはなれませんが、表決権のない賛助会員として参加できるとすることは可能です。
(6) 代表者に関する事項
必ず一人の代表者を置かなければなりません。規約には、代表者の選任方法、任期、職務などを定めます。
(7) 会議に関する事項
通常総会・臨時総会の開催及び招集方法、決議事項などを定めます。また、議事録の作成についても定めておく必要があります。
(8) 資産に関する事項
資産の構成や管理及び処分の方法等を定めます。
上記8項目を満たしていれば、それ以外の事項を定めることは差し支えありません。
また、法人化後に規約を変更する場合には、市の事前審査及び変更の認可申請が必要になります。