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最終更新日 2024年2月26日

情報発信元 地域交通課

北陸新幹線越前たけふ駅の発車メロディ決定

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北陸新幹線「越前たけふ駅」の発車メロディが決定しました

この度、西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)金沢支社から、2024年春に開業する北陸新幹線「越前たけふ駅」で使用される発車メロディが決定したことが発表されました。
本市では、この発車メロディについて、作曲家で武生国際音楽祭の音楽監督を長く務めていただいている細川俊夫さんにオリジナルの発車メロディの作曲を依頼し、市内の越前打刃物の製作現場の見学や録音、編集作業を経て、2022年3月に完成した楽曲を提案しました。
なお、越前たけふ駅の発車メロディは、こちらでお聞きいただけます。(外部リンク:市公式YouTubeチャンネル)

越前たけふ駅発車メロディの特徴

  1. この発車メロディは、「とても明るく弾むようなリズムと楽しいメロディーを持った」、「聴くたびに、なんとなく楽しく、ユーモアがあり、嬉しくなるようなチャイム」、「旅に出ることが、ワクワクするようなチャイム」をイメージして作曲されました。
  2. また、この発車メロディは、越前市を代表する伝統的工芸品である「越前打刃物」を叩いた音を使い、最新の音響合成技術を使って制作されています。具体的には、柄を付ける前の刃物を叩いた音や、打刃物を製錬する打撃音などの音を素材に、コンピュータを使用して音の響きを解析して作り出した音を用いてメロディを奏でています。
  3. 「伝統技術」(越前打刃物)と「現代科学」(最新の音響合成技術)の新旧の技術を融合させて生み出した画期的なサウンドとなっています。

作曲者 細川俊夫さんのコメント

細川氏の写真

「北陸新幹線越前たけふ駅チャイムの制作について」

私はすでに27年に渡って武生国際音楽祭に関わらせていただいています。毎夏越前市にやってくるのが恒例の行事となっており、その夏の武生の素晴らしい時がやってくることが、毎年の楽しみです。この長い期間にわたり、越前市と関わらせていただき、そこにできる新幹線駅のチャイムを作らせていただけることは、私にとって大きな喜びであり、また私はこれまでにそのような音楽の仕事を一度もしたことがなかったために、大変緊張いたしました。
まず日本中の新幹線駅のチャイムをさまざまな資料を集めて勉強しました。その後、まず素材となる音をどうするか、と考えました。私にとって越前市は、とても美しい静かな古雅な街です。その古い街角に、ナイフを作る金属音が響く様を想像しました。キーン、キーンと、鉄を打つ音が響くのです。そうやって有名な武生の刀、ナイフ、包丁が長い伝統を保ちながら生産されていきます。
ドイツの大作曲家、ヘンデルに「陽気な鍛冶屋」という楽しい曲があります。
陽気に明るく鍛冶屋が鉄を打つ音がイメージされている音楽です。越前市は、日本海側にあるために、暗いイメージが一般的にはあるのではないでしょうか。しかし実際には、人々は明るく、美しいものがたくさん残されている街です。新幹線の出発合図となるチャイムは、とても明るく弾むようなリズムと楽しいメロディーを持ったものにしたいと思いました。それを聴くたびに、なんとなく楽しく、ユーモアがあり、嬉しくなるようなチャイム。旅に出ることが、ワクワクするようなチャイムの音楽。そのようなチャイムを作りたいと願いました。
そして素材となる金属音は、日本で最も優れた音響アーティストである、有馬純寿さんにお願いし、彼に越前市のナイフ工場に行って、さまざまな音を録音していただきました。それをサンプリングして、最新のコンピュータで解析し、音階を再構築し、それを音楽にしたものが、今回のチャイムです。
いつまでも楽しむことのできるチャイムとして利用していただけたら、大変嬉しく思います。
細川俊夫 2021年11月24日(ミュンヘンにて)

作曲者のご紹介

細川 俊夫(ほそかわ としお)さん
1955年10月23日広島生まれ
作曲家、東京音楽大学客員教授、武生国際音楽祭音楽監督、越前市ふるさと大使

打刃物の製作現場を見学

(高村刃物製作所を訪問 写真左が細川さん)

音響制作者 有馬純寿さんのコメント

有馬氏の写真

「越前たけふ駅チャイム音の制作について」
今回、細川俊夫さんのご指名を受け、北陸新幹線に新しくできる越前たけふ駅の発車チャイム音の音響制作を担当いたしました。
細川さんからは、武生の名産である刃物の音を素材にチャイム音を作ることができないかとご相談をいただき、今回はよくあるシンセサイザーなどの電子楽器のベル音のような単純な音ではなく、本物の刃物を叩いた音を最新の音響合成技術によってメロディとすることにしました。
作業としては、高村刃物製作所のご協力をいただき、現地にて実際に柄をつける前の刃物の音を聴き、よい響きがするものを数本お借りしてスタジオで録音作業を行い、それをもとに音源を作成しました。
録音した音を素材に音階を奏でる場合、通常であれば録音した音の再生速度を変化させ音の高さの変化を作りメロディとするのですが、それでは均一な音色となり味気のない音になってしまうので、音のスペクトル解析といって素材の音がどのような音の成分でできているかをコンピュータで解析し、それをもとに一音ずつの変化をあたえた音のヴァリエーションを作り出し、結果、実際に調律した複数の刃物を叩いてメロディを奏でているかのような音響を作りだすことができました。
伝統技術と最新のテクノロジーの融合という、まさに新幹線の新駅にふさわしいチャイム音をつくることができたのではないかと感じています。
有馬純寿 2021年11月

音響制作者のご紹介

有馬 純寿(ありま すみひさ)さん
1965年生まれ
音楽家、帝塚山学院大学リベラルアーツ学科准教授、東京音楽大学大学院特任教授、現代音楽アンサンブル「東京現音計画」メンバー

高村刃物製作所での採録の様子 写真右が有馬さん

(高村刃物製作所にて採録 写真右が有馬さん)

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