有機農業

最終更新日 2023年11月27日

情報発信元 農政課

コウノトリ呼び戻す農法体験記 第3回

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第3回 生き物観察会(令和3年7月31日(土曜日))

田んぼファンクラブ第3回目の取り組みは、5月に田植えをした田んぼとその隣のビオトープに住んでいる生き物の観察会です。

まず、水辺の会会長の恒本さんからあいさつがあり、次にエコビレッジ交流センターの野村さんがコウノトリや坂口の生き物について説明をしました。

コウノトリは、カエルやドジョウなどを1日に500グラムほど食べるそうです。

それがどれくらいの量なのかイメージが湧かなかったのですが、オタマジャクシが1匹あたり1グラム、中サイズくらいのドジョウが1匹あたり4グラムとのことで、1日にオタマジャクシだと500匹、ドジョウだと125匹を食べる計算になります。すごい量ですね。

コウノトリが住めるということは、それだけ生き物がたくさん住めるように、多くの人が努力してきたんだなと改めて思いました。

1(あいさつをする恒本会長)

説明が終わったら、いよいよ田んぼへ生き物を捕まえに行きます。ハッチョウトンボチーム、アベサンショウウオチーム、メダカチームに分かれて、それぞれ田んぼとビオトープに向かいます。私はメダカチームでした。

ビオトープに着くと、さっそくファンクラブのみなさんは網を使って生き物を探しだしました。

最初はビオトープの中に入るのを躊躇していた子供たちも、慣れたらどんどん中に入ってどろんこになりながら網を振っていました。

5(生き物を探すファンクラブのみなさん)

そこで私が驚いたことが、生き物を捕まえるのにもっと苦労するかと思いきや、泥に網を入れただけでアッサリと虫やドジョウなどが捕まったことです。

環境にやさしい栽培に取り組むと、こんなにも生き物が増えるんだなと感動しました。

11(深いところでなくでも生き物がとれます)

6(なにか動いてる?)

1時間ほど生き物を捕まえた後は、その生き物の観察です。

捕まえた生き物は、以下の通りでした。

・ドジョウ

・トノサマガエル(+ オタマジャクシ)

・トンボ(+ ヤゴ)

・ガムシ(+ 幼虫)

・ゲンゴロウ(+ 幼虫)

・マツモムシ

・アメリカザリガニ

子供たちだけではなく、大人の人もたくさんの種類の生き物が捕まったことに驚いていました。

エコビレッジ交流センターの野村さんが捕まえた生き物について解説し、みなさん聞き入ってました。

8(捕まえたドジョウ 大小4匹)

10(ヤゴ、ゲンゴロウとその幼虫)

子供たちは、「かわいいね」「楽しかった」「生き物が好きになった、触れるようになった」と嬉しそうに言っていました。

私は1時間かけて4匹程度しかドジョウを捕まえられなかったのに、これを100匹以上も捕まえないといけないコウノトリはとても大変なんだな、もっと生き物を増やしてあげないといけないなと思いました。

さて、いよいよお別れの時間です。捕まえた生き物を元居たところに戻します。

子供たちは生き物に愛着が湧いてしまったようで、「持って帰って飼いたい」と言っていましたが、野村さんが「みんなもおうちに帰れないのは嫌でしょう?」と優しく諭していました。

捕まえた生き物にお別れを言って、ビオトープや田んぼに戻してあげ、みんな元気に帰っていきました。

子供たちは、生き物たちが見えなくなるまでじっと見ていました。元気に育って大きくなってね。

13(お別れを言いながら生き物を元居た場所に戻しました)

~コウノトリ呼び戻す農法米についてのワンポイント~

残念ながら、第2回に予定していた「草取り」は中止になりましたが、米作りの過程で草対策はとても重要な作業です。

ここでコウノトリ呼び戻す農法米の除草事情を少しご紹介します。

そもそもなぜ草刈りが必要なの?

「米作りには草刈り作業が不可欠だ」

「草刈りに一番苦労している」

と、農家さんからよく話を聞きます。

米作りにおいて草刈りが重要だと言われるのは、以下の理由からだそうです。

・草が田んぼの水や養分を横取りしてしまうから。

・草が稲の発達に必要な日光をさえぎってしまうから。

・草があることで風通しが悪くなるから。(風通しが良いと、稲の温度が下がり快適な環境となるそうです)

・病害虫の住処となってしまうから。

稲も必要な栄養を摂らないと生きていけないし、適当な気温の元でしか活動を行うことができないのですね。

私たち人間と同じですね。

コウノトリ呼び戻す農法米では除草剤が使えない!?

農薬や化学肥料を減らさない通常の栽培をしていると、農薬である除草剤が使えるので、草刈りの苦労は軽減されます。

しかし、コウノトリ呼び戻す農法米を始めとする特別栽培米は、農薬である除草剤の使用が制限されます。

つまり、特別栽培米の生産者の方々は、自力で畦の草刈りや、田んぼの中の草取りを行う必要があるのです。

特に、コウノトリ呼び戻す農法米の田んぼでは農薬を一切使えないので、何度も何度も自力で草を刈り、稲の成長を妨げないよう苦労をかけています。今まで聞いた生産者の中では、田んぼ1枚あたり年間5回の草刈りをしているというのが一番多かったです。

この耐え難い暑さの中、厚手の作業着を着て重い草刈り機を操作する苦労は計り知れません。

コウノトリ呼び戻す農法米を始めとする特別栽培米は、「毎日食べるお米だからこそ、消費者に安心安全なお米を届けたい」という、消費者を思う生産者の気持ちが込められたお米なのです。

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情報発信元 環境農林部 農政課

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