市の歴史・文化ゆかりの地

最終更新日 2023年11月27日

情報発信元 生涯学習・芸術文化課

越前市武生公会堂記念館のあゆみ

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武生公会堂記念館のあゆみ

府中の藩校「立教館」

建学記念碑

当館の正面向かって右側に、「建学記念碑」という石碑が建てられています。これは府中の藩校「立教館」を顕彰するために、同校の開設に尽力した府中の商人松井耕雪(1819年から1885年)の没後50年を記念して、昭和9年(1934年)に建てられたものです。
江戸後期、若越の諸藩においても主に藩士の子弟を対象とした人材育成の教育機関である藩校が開設されていきましたが、府中でもこうした動きを受けて、藩校開設の気運が高まり、安政3年(1819年)に松原通り南の地(現在の当館の南側の位置。後に当館の位置に移転)に建坪48坪の校舎が建設され、立教館と命名されました。この際、代々福井藩家老職を務め、府中を治めていた本多家7代本多富恭に、建設資金として私財300両を献じたのが耕雪でした。耕雪はそれだけでなく、蔵書も寄付し、富恭の諮問に応じて立教館の教育方針や規則、履修教科、教員組織案なども提出したといわれます。立教館は、明治2年(1869年)の版籍奉還頃まで存続したといわれ、同校からは後に東京府知事や帝国大学(現在の東京大学)の初代総長等を歴任した渡邉洪基や、明治初期に農商務次官を務める等官僚として活躍した斎藤修一郎、学習院教授となった松本源太郎等の優れた人材を輩出しました。耕雪が蒔いた種は明治期に大きく結実したといえるでしょう。

立教館関係年表立教館年表(PDF形式:19キロバイト)

まちのシンボル「武生町公会堂」

武生町公会堂時代の写真

立教館の閉校から60年ほど経った昭和4年(1929年)3月、立教館の最終位置である蓬莱町23番地に「武生町公会堂」が開館しました。かつて武生町には南條郡の公会堂がありましたが、明治39年(1906年)に開校した武生女子実業学校の校舎に転用されており、大正時代に入った頃、町民の間に新しい公会堂の建設を望む声があがったと言われています。昭和に入ってその動きが再び活発となり、昭和2年(1927年)10月の武生町会で、昭和天皇の即位を記念する御大典事業として武生町公会堂の建設が決定されました。
昭和3年(1928年)5月起工式が行われ、翌年1月18日竣工、3月18日に開館式が盛大に行われ、以後町民の集いの場、文化活動の拠点として利用されていきました。公会堂建設には、建設費だけで8万円の費用を要しましたが、この費用は町民からの寄付と、町費で賄われました。開館から4年後の昭和8年(1933年)12月、町役場が公会堂1階に設置され、現在の越前市役所庁舎(旧武生市役所庁舎)が昭和30年(1955年)10月に建設されるまで、公会堂は町政(市政)の中心でもありました。また昭和25年(1950年)の秋には、同年1月に公会堂の東側に武生消防署が建設されたことから、塔屋の上に6階が増設され、消防署員による監視業務が昭和43年頃(1968年)まで行われました。

武生町公会堂関係年表 武生町公会堂年表(PDF形式:19キロバイト)

新しい学び、集い、楽しみの場として「公会堂記念館」

観覧風景1

武生の文化・行政の中心であり、ランドマークであった公会堂は、老朽化により平成2年(1990年)公会堂使用条例が廃止され、集合施設としての利用が停止されました。平成4年頃(1992年)から公会堂の利用・改修方法について各種意見が出され、取り壊しも検討されました。しかし、多くの市民の要望から建物を保存活用することとなり、大規模改修工事を経て、平成7年(1995年)11月、「武生市公会堂記念館」として生まれ変わりました。
平成17年(2005年)2月、昭和初期の面影を残す建物として、国の登録有形文化財に登録されました。
平成17年(2005年)10月の合併により「越前市武生公会堂記念館」と名称が変わり、平成20年(2008年)3月には、博物館として福井県教育委員会の博物館原簿に登録されました。
現在当館では、越前市の博物館施設として、展示による市内の歴史文化の紹介や、考古・歴史・民俗・美術資料の収集保存活動を行っています。また、当館の建つこの地が、かつて越前市の学びの発信地であり人々が集う交流の場であったことから、武生公会堂記念館は、 現在の越前市の文化行政、まちなか博物館の中心的施設、中心市街地の賑わい創出など、多くの拠点としての役割をも担っています。

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